2022年9月、彼に別れを告げられた僕は恋愛という感情に永遠の別れを告げた。
彼が僕に別れを申し出たのは、僕があまりにも苦しんでいたからだ。好きな人とと一緒にいる日常とそれが許されない(と感じてしまう)環境との狭間で僕の心は正常ではなくなりつつあった。
僕には素敵な両親や多くの友人がいるし、幼少期から十分な教育の機会にも恵まれてきた。世間的には高学歴と言われる大学にも入学できし、学生時代には海外留学も経験した。名前を出せば誰もが羨む企業にも就職した。それでも、自分がゲイであるというこの事実は、僕が恵まれていること全てを吹き飛ばしても足りないほど重すぎる足枷だった。むしろ、こんなに恵まれてきたからこそ、正常ではない自分のセクシャリティを受け入れるのがこんなに辛いのかもしれない。自分が何かを達成できても、どれだけ褒められても、「でも自分はゲイだから」と心の中で呟いてきた。
これまでいったい何人の男性を愛してきたんだろう。そしてそれは、いつもその大きさ以上の苦しみを僕に与えてきた。
これ以上は心が持たないと感じた僕は、一切の恋愛感情を捨て去って、友情結婚への道を進むことに決めた。