何度同じことで悩んだんだろう、何度同じ道を通ってきたんだろう。
どれだけ悩んで出した決断も、時間が経てば、それが悩み抜いた末に出した決断だったことすら忘れてしまう。
あんなに悩んだのに。絶対にこうしようと決めたのに。一時の感情に流されている現在の自分より、睡眠時間を削ってまで必死に考えて悩んでいた過去の自分が出した答えの方が正しいはずなのに。
いろんな人を傷つけた。全ては自分のせい。自分のセクシャリティのせいだと思うけれど、きっと自分が同性愛者でなかったとしても、同じように別の理由でいろんな人を傷つけていたことだろうとも思う。
同性愛者が生きるべき道は、自分の気持ちに素直になって生きるか、あるいは自分の気持ちを押し殺して生きるかの二択のように言う人が多いけど、本当はそんな単純なものじゃない。
同性を人生のパートナーとして選ぶことが、必ずしも自分の素直な気持ちに従った選択というわけではないし、異性と結婚することが必ずしも世間体のためと言うわけじゃない。
だから、「自分の気持ちに素直に生きるのが絶対いいよ」みたいな言葉は本当に響かない。わかってる。自分の素直な気持ちがわからないからこそ、こんなにも苦しい。